バクテリアのゲノム修飾による遺伝子発現制御メカニズムの網羅的解析

古田芳一
(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 講師)

2018年3月9日金曜日

ゲノム微生物学会年会に参加


今週3月5日ー7日に京大で開催された第12回日本ゲノム微生物学会年会に参加し、「炭疽菌ザンビア分離株の系統分布とゲノム構造」と題して口頭発表を行った。学生のときからずっと参加していた学会だが、留学中に参加していなかった関係で4年ぶりの参加となった。発表へのフィードバックも多くいただき、研究のアイデアもたくさん湧き、研究分野に関わる学会は数あれど、やはりゲノム微生物学会が自分には一番合うと確信したところである。 
 
 

2017年11月18日土曜日

研究活動@ザンビア


先週までザンビアにてサンプリングを行っていたので、その様子を少し。

私の所属の北海道大学人獣共通感染症センターは、ザンビア共和国のザンビア大学獣医学部と共同研究を行っており、人と動物の双方に感染するバクテリアやウィルス、寄生虫といった病原体の研究を行っている。コウモリや蚊などの媒介生物や、牛・豚などの家畜、さらには国立公園の野生動物などから病原体を分離し、どのような種がいるか、未知の微生物がいないか、解析を行っている。



ザンビア、と聞いて多くの人は、「...アフリカ?」という反応である。アフリカ大陸の一番南が南アフリカ共和国、その北がジンバブエで、さらにその北がザンビアである。有名な観光地としては、南部にあるヴィクトリア滝が世界三大瀑布として有名である。日本からだと東南アジア・南アフリカ経由の南回り、あるいはドバイ経由の北回りで行くことができるが、何れにしても30時間ほどの長旅だ。公用語は英語なので、コミュニケーションに不便は少ない。4月ごろ~10月ごろが乾季、それ以外の時期が雨季で、今回は雨季が始まる直前くらいの境目の時期であった。

我々のラボは、主にバクテリアを検出するため、国立公園を主に回り、野生動物の感染個体が報告されたエリアの近くで土や川の水を収集した。ザンビアの国立公園にも多くの野生動物がいるが、今回サンプリングを行った場所に多くいたのはカバである。カバは日中は水中にとどまっているため、こちらは川に入りさえしなければ基本安全である。外の気温は35度、川の水の温度を測ると30度前後であり、カバにとってはかなりのストレスだそうだ。 


収集したサンプルはザンビア大学に持ち帰り、バクテリアの分離作業やゲノムDNAの抽出作業を行った。得られたサンプルを日本に持ち帰ることは、名古屋議定書が発効した昨今ではますます厳しくなっているため、近年の新技術である小型ゲノムシークエンサーなどを利用し、ザンビア国内でゲノム解析までの一連の流れを完結できないか、検討作業を行っているところである。現地の共同研究者と協力し、より広範囲・長期間の良いデータを取り、人獣共通感染症の理解を深めていきたい。

2017年7月24日月曜日

やさしい科学技術セミナー@西大和学園高等学校



国際科学技術財団さまにサポートいただき、やさしい科学技術セミナーを奈良県私立西大和学園高等学校にて行った。実に15年ぶりの母校訪問となったのだが、在校していた当時と比較して設備がさらに充実しており、驚きの連続であった。教員、生徒の皆様にも暖かく迎えていただき、またセミナー後の質疑応でも積極的に質問をしていただけ、大変やりがいのあった講義となった。バクテリアのゲノム解析という普段あまり触れる機会のない内容だったかもしれないが、バクテリアの多様性やゲノム解析技術の急速な進歩に少しでも興味を持っていただけたならうれしい。




お世話になった財団、西大和学園の関係者の皆様に深く感謝申し上げたい。

2017年4月20日木曜日

国際科学技術財団の研究助成に採択

このたび国際科学技術財団の研究助成にありがたくも採択され、東京で執り行われた贈呈式に出席した。



国際科学技術財団は日本国際賞(Japan Prize)を授与している財団で、生命科学分野の研究者にもほぼ毎年授与している。その関係で、今回の贈呈式のあとに日本国際賞受賞者と話をする機会をいただけた。とりわけ、今年の生命科学分野の受賞者はCRISPR-Cas9システムのEmmanuelle Charpentier博士とJennifer Doudna博士であり、バクテリアの進化や合成生物学を専門としている私としては、思いがけず両氏と直接会って話せる機会をいただけて大変うれしく、CRISPRについて疑問に思っていたことも聞けてただただ最高であった。

他の選考委員の先生方とも面識ができ、大変内容の濃い一日を過ごせた。翌日の日本国際賞授賞式にもご招待いただけ、自身の研究への思いを新たにするよい機会であった。国際科学技術財団にはただただ感謝である。