バクテリアのゲノム修飾による遺伝子発現制御メカニズムの網羅的解析

古田芳一
(北海道大学人獣共通感染症リサーチセンター 講師)

2017年11月18日土曜日

研究活動@ザンビア


先週までザンビアにてサンプリングを行っていたので、その様子を少し。

私の所属の北海道大学人獣共通感染症センターは、ザンビア共和国のザンビア大学獣医学部と共同研究を行っており、人と動物の双方に感染するバクテリアやウィルス、寄生虫といった病原体の研究を行っている。コウモリや蚊などの媒介生物や、牛・豚などの家畜、さらには国立公園の野生動物などから病原体を分離し、どのような種がいるか、未知の微生物がいないか、解析を行っている。



ザンビア、と聞いて多くの人は、「...アフリカ?」という反応である。アフリカ大陸の一番南が南アフリカ共和国、その北がジンバブエで、さらにその北がザンビアである。有名な観光地としては、南部にあるヴィクトリア滝が世界三大瀑布として有名である。日本からだと東南アジア・南アフリカ経由の南回り、あるいはドバイ経由の北回りで行くことができるが、何れにしても30時間ほどの長旅だ。公用語は英語なので、コミュニケーションに不便は少ない。4月ごろ~10月ごろが乾季、それ以外の時期が雨季で、今回は雨季が始まる直前くらいの境目の時期であった。

我々のラボは、主にバクテリアを検出するため、国立公園を主に回り、野生動物の感染個体が報告されたエリアの近くで土や川の水を収集した。ザンビアの国立公園にも多くの野生動物がいるが、今回サンプリングを行った場所に多くいたのはカバである。カバは日中は水中にとどまっているため、こちらは川に入りさえしなければ基本安全である。外の気温は35度、川の水の温度を測ると30度前後であり、カバにとってはかなりのストレスだそうだ。 


収集したサンプルはザンビア大学に持ち帰り、バクテリアの分離作業やゲノムDNAの抽出作業を行った。得られたサンプルを日本に持ち帰ることは、名古屋議定書が発効した昨今ではますます厳しくなっているため、近年の新技術である小型ゲノムシークエンサーなどを利用し、ザンビア国内でゲノム解析までの一連の流れを完結できないか、検討作業を行っているところである。現地の共同研究者と協力し、より広範囲・長期間の良いデータを取り、人獣共通感染症の理解を深めていきたい。